2009年09月08日

太宰生誕100年祝い: 「パンドラの匣」復刻版発売

作家太宰治(1909~48年)の生誕100年を記念して先月発売された「パンドラの匣」復刻版が好評だ。第1刷3000部は青森県津軽地方と宮城県内限定で販売されたが、全国から注文が相次いでおり、第2刷7000部を増刷中。今月中旬からは東京の主要書店にも並べられることになった。

 復刻版はB6判232ページ。1946年6月に河北新報社から刊行された初版本とサイズ、厚さ、インクの色まで同じ。用紙も当時の酸性紙に近い風合いの中性紙を特注して使用している。

 初版本は今や貴重品で、河北新報社にも1冊保存されているだけ。復刻版はこの初版本から複写データを取り、活字の欠落で空白になっている部分や、印刷のかすれまで無修正で再現した。

 赤黒2色の外箱入りで1050円(税込み)。外箱の内側に菓子メーカーなどの広告を印刷したため、異例の低価格に抑えられた。知人への土産物代わりに手に取る太宰ファンも多く、仙台市内の主要書店では、発売以来、週間ベストセラーの上位を続けている。

 同市青葉区の金港堂書店によると、「外箱のデザインが印象的で、中高年を中心に売れている。まず文庫本で読み、旧仮名遣いの復刻版にも触れたいという若い層の購入も目立つ」という。

 「パンドラの匣」は、45年10月から64回にわたり河北新報紙上に連載された、太宰にとって初の新聞小説。結核療養所を舞台に青春群像を描いた作品で、太宰は「終戦後の混沌とした世情に希望を与えたい」と語っていたという。

 「パンドラの匣」は冨永昌敬監督によって映画化され、10月10日から全国公開される。9月26、27日にはロケ地となった宮城県南三陸町での先行上映が決まっている。復刻版は各上映施設でも販売される。

【河北新報社】
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同じく太宰治生誕100年を記念して、青森県五所川原市金木町の太宰の生家近くでは、野外劇「津軽」が津軽鉄道芦野公園駅で、連日上演されています。 もう9月。芸術の秋の到来ですねブック




Posted by heruga at 18:00

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